中日は痛いサヨナラ負けを喫した。得点を重ねても、出た投手全員失点し、うっちゃられた。同点の9回に山井がサヨナラ弾を浴びたが、一番の誤算は大野雄大投手(27)の出来だった。左腕は天敵筒香に打たれた2ランを悔やんだ。

 筒香には昨年、15打数10安打と打ち込まれていた。今季は初対戦。直前にリードを3点に広げて迎えた5回は、逃げ切りへのリズムを作りたい局面だった。無死一、二塁でロペスの遊ゴロを堂上がうまくさばいて併殺。その直後の初球だった。フォークが高く浮き、1点差に詰められる特大2ランになった。援護しても、守備がもり立てても、乗れなかった。

 「冷静になれなかった。立ち上がりからバラついて、修正もできなかった。なぜあそこでフォークをチョイスしたのかも、今冷静に考えると…」とガックリ。杉山とは今季初めてのコンビだったが「リードに応えられなかった」と失投を反省。相性の悪さを気にする谷繁監督も「(対戦)数字はいくつになりました? そこを考えていってもらいたい」とうめいた。

 前回の広島戦に続いて中盤に打たれ、モヤモヤの残るまま前半戦の登板が終わった。「後半は切り替えてやります」。大野の働きなくして上位は狙えない。